2018年12月2日日曜日

2018年 第4回 東部部会 実施報告(12.1)

■日時 2018年12月1日(土) 13:30〜16:35

■会場 立教大学 池袋キャンパス 10号館 X107教室

■参加者 28名

■【研究報告】
(1)河藤佳彦(専修大学)
「地域資源とソーシャル・キャピタルを活かした産業クラスター形成方策の考察
 ― 飯田航空宇宙プロジェクトを事例として ―」
 

(2)大田康博(徳山大学)
 「展示会の空間的条件が参加者の相互作用に与える影響:繊維産業の事例」

 
今回の東部部会は、全国大会向けの研究報告では難しい、やや大目の時間を報告と議論に当てる研究会にしました。
東部部会からは専修大学の河藤佳彦会員にクラスター研究の報告を依頼し、九州部会からゲストスピーカーとして招聘した徳山大学の大田康博会員には国際学会報告を踏まえた繊維産業研究の最新成果をお願いしました。
報告40分、質疑40分で設計したのですが、質疑・討論はやはり40分でも足りないくらいでした。




 
河藤佳彦氏報告
飯田市および下伊那郡で形成されつつある航空機部品産業クラスターについて、理論的フレームワーク、アンケートおよび実態調査に基づいて報告されました。
共同受注活動が実績をあげているエアロスペース飯田を中心に、産官学の協働の実態を、クラスター、制度経済学、ソーシャルキャピタル、コミュニティキャピタルの諸概念から整理・統合して論じられました。
ディスカッションでは、飯田周辺地域の産業集積・関連企業の諸活動が産業クラスターとして成立する条件を満たしているのか、活動企業の業績がクラスター形成とどのように関わるのか、産業集積としては縮小傾向にある場合クラスター形成がどのような成果と意義が見いだせるのか、理論、実証面から多角的で活発な議論が行われました。





大田康博氏報告
繊維産業(テキスタイル)企業の製品イノベーション・販売促進・販売活動において、展示会の空間的諸条件が顧客・来場者・コンペティターにどうのような相互作用を及ぼすか、オリジナリティあふれる報告が行われました。
国内の繊維産地の縮小と衰退、海外マーケティングについて研究してきた氏の実績を踏まえ、海外調査からの比較、展示会における海外企業と日本企業の緒活動・成果の差異に着目する経緯、それを論じる場合に有効な理論探索と国際的議論を深める国際学会への参加についても丁寧に説明されました。
着眼したのは組織フィールドに関する概念で、展示会等で出展されるモノと、関わるヒトの相互作用が、空間的諸条件によって目的設計やビジネス成果を左右するとの仮説を提示されました。
刺激的な研究の着眼経路と手法・展開から、繊維産業の特性、展示会利用における中小企業政策の意義と問題、イノベーターズ・ジレンマの議論の応用展開可能性など、こちらもひっきりなりの充実した質疑応答となりました。




真剣で活発な研究会でお疲れの会員諸氏は、本学のクリスマス・イルミネーションでささやかな癒やしを得て、帰途につかれたのであれば、幸いです。

 

少し早いですが、みなさま、よいお年をお迎えください。 

追記
報告希望などは、下記をご参照の上、お問い合わせください。

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 日本中小企業学会 東部部会事務局
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 堀  潔 (副会長:桜美林大学)
 鹿住 倫世(幹事:専修大学)
 遠山 恭司(幹事:立教大学)

 東部部会事務局E-mail:  jasbs.east.13@gmail.com
 (東部部会事務局宛の連絡やお問い合わせにご利用ください)

 日本中小企業学会ウェブサイト:http://www.jasbs.jp/
 学会東部部会ブログ:http://jasbs13east.blogspot.jp/
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